(続編)同じ曲ばかり練習してませんか?
先日投稿した「同じ曲ばかり・・・」に関して、いろいろコメントをいただきありがとうございました。
思いのほか反響が大きく、もっと具体的な例を挙げて欲しいとのメッセージもいただきましたので、私が分かる範囲でブログを書こうと思います。
まず初めに、同じ曲を練習するのがダメだと言っているわけではありません。長い期間練習することによって得られる物も多いです。ただし、その曲しか弾けない、となっては時間と労力をかけた割には、新しいレパートリーに挑戦したいと思っても、また同じ苦労が待っていますから、もっと大きな視野でバランス良く練習しましょう!ということです。誤解なきようお願いします。
前置きが長くなりました。同じ曲ばかり練習してて起きる弊害、列挙します。
1、譜読みのミスに気付きにくくなる
もう楽譜を見なくても弾ける!と自負していたのに、レッスン時に久しぶりにその曲を先生に聴いてもらったら「ここシャープで弾いてないよ」とか、「この小節、半拍足りなくなってるよ」なんて指摘されて、自分にがっかりした経験ありませんか?
長い期間弾いているうちに、間違った音やリズムを記憶しちゃった、もしくはそれで正しいと信じ込んでしまったのでしょう。もしくは、何かの偶然で繰り返し使ってしまった(=その結果止まらず弾けちゃったが故に)指遣いだけを覚えて、発音された音を覚えてしまったんだと思います。
いや、でもちゃんと楽譜を見ながら練習していたんですよ。練習の時は間違ってなかったはずです。
と仰る方もいるかもですが、一度信じてしまうと、人間はミスなどあるはずがないと信じて疑わなくなります。
文章の校正をする時に、第三者にチェックしてもらうと、信じられないような誤字脱字が見つかります。それと同じです。
2、表情豊かな演奏が出来なくなる
人間が最も”美味しい”と感じる瞬間、それは初めてその料理を食べた時、のはずです。
音楽も同じで、表情、つまり曲の喜怒哀楽を感じられるフレッシュな感覚の時にメロディーやハーモニー、そしてリズムに宿る特徴を掴みやすいはずです。明るい音色で弾いたらどうか? フォルテ、ピアノ、クレッシェンド、デクレッシェンド、アクセントなど表現力豊かに演奏したいのであれば、曲に取り組み始めたその日から探すことをオススメします。
何度も弾いて飽き飽きした状態では、あなたの音楽に関する感性は鈍ってしまっています。
3、同じ箇所でミスを連発する
暗譜:番外編でも書きましたが、ミスは次に上手くなるためのヒントに出来れば有益ですが、覚えてしまっては有害なものになってしまいます。
どうすれば改善するか?を試行錯誤せずに、安易に繰り返し練習をすれば、無意識に自分自身の脳裏に「こうすればミスをするぞ」と焼き付けているようなものです。そのうち、その箇所が近づいてくるにつれ不安感が増大します。
ミスが定着しないうちに、出来るだけ小さな傷のうちに、火が大きくなって手がつけられなくなる前に初期消化に努めましょう。
いかがでしょうか? 誰しも短期間で上達することは出来ません。ただ、練習を重ねる間に曲を仕上げるためのノウハウや、ギターを上手く弾くための自分にあった練習法を見つけて行くことで、以前より練習時に気付くことが増えたり、途方に暮れることが減ったりするはずです。
何時間、何日、何年、どれくらい練習したら上手くなるか?という一生答えの出ない問いに向き合いすぎず、
練習のたびに小さな手応えを得ていきたいですね。
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