誰もが上手くなる練習方法があるとしたら・・・【練習について その5】

   2020/11/05

02F01057-30A6-45DD-A52F-DF2F0681BC67では誰もが必ず上手くなる練習方法その2、

「テンポを変えて練習する」

についてです。

あれ?ゆっくり練習の間違いでは?との仰る方が多いかもですね。

どうしても思い通りに弾けない時、ゆっくりなテンポで練習しましょう!と多くの指導者がアドヴァイスします。

私の考え方は少々違います。必ずしも”ゆっくり弾けば上手くなる”とは言い切れないからです。

『先生に言われた通りゆっくり練習したけど、いざ実演(つまり練習時より速い)のテンポで弾こうと思ったけど、ちっとも上手くならなかった』

というような経験ありませんか?

遅いテンポにしか対応出来ない弾き方だけで練習をしてしまった、と言えると思います。

昨日の駅から友人宅へ行く話に喩えると、

約束時間に遅れそうだったので駅前でタクシーに乗りました。歩いた時と同様のルートを行こうと思ったけど、予想外に道が空いてて車は速いスピードで運行。しかも忘れものが気になってカバンの中を見てたら、あっという間に曲がるはずの角を通り過ぎ、一方通行だったので引き返せず、最速の手段を取ったはずが結局約束の時間に遅れる羽目に・・・。急がば回れとはこのことか。

ということでしょうか。先にドライバーに何を伝えるか頭の中で準備をしていれば、通り過ぎる前に「次の角を左に」と伝えられたのに機を逸してしまったのです。

次の小節で起きる左手のポジション移動を把握出来ず「ああ、また間違った」

そして、つい言ってしまうセリフが「いつもココでミスをするんです

私も皆さんと同じです。過去に何度も言いました、このセリフ(笑)

練習時にテンポを遅くすることで演奏時に余裕がある状況を作り、どこでどのような準備をするべきか?そして身体が反応しようとしているか?

あなたの周囲の上手い奏者は、意識的にか無意識にか分かりませんが、敏感に感じ取って練習時に余裕がある状態を記憶している、だから上手になるのです。

では最後に

“緩やかな曲を速いテンポで練習すると上手くなる”(あくまでも可能性がある、という話ですが)のは何故か?

一言で説明すると練習時に「余裕がある状況を作れる」からです。理由はゆっくり練習と同じです。

ゆっくり弾く、速く弾く、これらはあくまでも手段です。目標は「人前で上手く弾くこと」です。

人前に出ると誰でも、良い結果を出したい、見せたいという期待と、出来るかな?という不安を同時に感じます。それを緊張と言います。

つまり普段(練習時)より必ず余裕がない状況に置かれるのです。

曲のこと、技術のことだけでなく感情のコントロールも強いられる状況でミスが出るのは当然のこと。

用意周到に準備をし、さあいつでも弾けるぞ!という期待感だけを抱いて(=余裕綽々)ステージに立ちたい、そんな夢を追いかけて練習しましょう!

 

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コメント一覧

  1. サイト より:

    こんにちは。
    私は67ですが、子供の頃からギターを手にとってました。習ってなかったので下手っぴでしたが、50代でタイで働き始め、ギターも再開しました。時間が無く習えなかったのですが、幾らか曲がそれらしく弾けるようになった五年位前に、今にして思えばジストニアに掛かり、その半年後くらいに心臓血管が破れて死にそうになりました。ジストニアを知ったのはその後ですが、手術してまで治す必要はないので、それなりに楽しんでいます。先生の周囲でジストニアになった人、おりますか?何か話題があれば、ブログで取り上げてくだされば、読みたいです。
     其れでは、又。

    • masuda より:

      コメントありがとうございます。ブログお読み下さり嬉しいです。ジストニアのことはいろいろデリケートな話題なので触れることは難しいかと思いますが、私なりに考えて行きたいと思います。

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