指導時に大切にしていること
「良い生徒とは?」なんてこと書いたら、当然「良い先生とはどんな人?」と訊きたくなりますよね?
あくまでも私見ですが、私が教える時に心掛けていることからお話します。
1 上から目線にならない
レッスンで頻繁に感じるのは「(生徒さんを)教えているようで(生徒さんから)学んでいることも多い」ということです。自分が全てに於いて優れてると勘違いしないで、”我以外皆我師”ということを肝に銘じておきたいものです。
2 自分の知識ばかり披露しない
生徒さんが訊きたいのは「どうすれば上手くなるか?」であって、先生の音楽や楽曲に対する知識や分析だけではないはずです。知っていることを伝えることがダメ、とまでは言わないですが、レッスンが終わって生徒さんが「いい勉強になった。でも家に帰ってどうすればいいの?」って困惑した顔をされないようにしたいですね。レッスンという場は、自分が先生としていかに優れた人間かを自慢する所ではないです。
3 出来ないことを要求しない
「どうして出来ないの?」という台詞はレッスンではNGだと思っています。出来ないから助けを求めて来ているのです。
ただ”出来ない”と決め付けている、トライする前に諦めている場合も多くあります。生徒さんも安易に”出来ない”と言わないで先生のアドヴァイスに耳を傾けて「やってみよう!」という勇気を持って欲しいです。
4 出来ることを増やす
せっかく僅かだけど進歩が見られたにもかかわらず「・・・だからさっきは弾けなかったんです」と生徒さんは言ってしまいがちです。先生も欠点ばかり指摘しがちです。問題点を見つけて、どうすれば改善するか?の道筋を示してあげたいと願っています。一緒に「出来たね」「上手くなれそうだね」という気持ちを共有したいです。
5 親身になりすぎない
えっ?と思われるかもしれませんが、先生が細かいところまで指導し過ぎると、生徒さんは「自分で考える」ことを止めてしまいがちです。先生は生徒を励ますことは出来ても、最終的に上手くなるのは生徒さん自身の意思と努力にかかっています。丁寧に教えることは良いですが、余計なお世話までしないように気をつけたいですね。
教える立場として最も重要なのは「快方へ向かっているかどうか?を判断してあげること」だと思います。進むべき道は右なのか、左なのか?はたまた前進すべきなのか、後ろを振り返るべきなのか?
医師に薬を処方してもらうような感覚ではなく、「日頃の食生活と生活習慣を健全に保ちましょう」と言ってくれる健康診断がレッスンの場なのではないでしょうか?
「甘いものばかり食べてはダメですよ」「睡眠はしっかり取りましょうね」などと健康診断で言われるのと同じように
レッスンでも「また同じこと言われちゃった」とがっかりすることも多いですよね。先生たまには違うこと言ってよ!と思ってたりして(笑)
「楽譜を正確に読みましょう」「丁寧に練習しましょう」
もしあなたの先生がいつもそんなセリフを言う方だとしたら、
きっと「あなたにとって最良の先生」ですよ!
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