(素朴な疑問) 硬い音・明るい響き・音色 ってなんだろう?

   2020/11/05

1E6522C2-448E-4C6D-A5BD-9E48B3102496長年使っていたり、聴き慣れたりしていると何も疑問に感じないけど

他業種の方が口にした素朴な疑問に「なるほど、そうか!」と気がついたりします。

例えば、「同じメロディーが2回続くので、2回目は硬い音で・・・」

音って触ることが出来ないから硬い音と言われてもピンと来ない、という方もいると思います。特に普段楽器を弾くことがない人ならなおさらでしょう。

レッスンで「この曲は明るい曲ですか?暗い曲ですか?」と先生から訊かれて困惑した経験ありませんか?

音は目で見えないのですから、ある意味分からなくて当然なのかもしれません。

音色という言葉も、音楽に関わる時間が長ければ長いほど、当たり前の言葉として使っていますが

赤色の音とか、輝く音とか、今まで実際に見たことはありません。どんな音なのか将来見てみたいような、見たくないような。

音楽の面白いところは、聴覚で感知している(つまり聴いている)情報を、人間が生来携えている五感のどれかに「変換」して音を認識していること、個人的にはそう思っています。

具体的には、

ある種(ギターで言うとブリッジ付近で爪弾いた)の音を聴いて、あたかもその音を手で触っているような感覚に脳内で置き換えて、硬い音だと感じる

長和音を聴いて、太陽光が燦々と降り注いでいる場所にいるような視覚情報を感じて、明るい響きだと感じる

というようなことです。

音楽が表現出来ることって多彩ですごい!と思いませんか?

かつては政治的なプロパガンダに使われたり、今ではテレビのCMで製品のイメージ向上に使ったり

いろんな場面で音が携えている情報を別な感覚に置き換えて発信する、という効果は日常生活に溢れています。

良い演奏の条件のひとつに「共感」、つまり作曲家の意図を汲み取る、曲のイメージを掴む、聴き手と奏者が同じ感情を共有する、という大切な要素があると思っています。

人間が備えもっている五感を敏感にして、楽譜から音楽に関する様々な情報を読み取り、

どのような方法を使って聴衆と共有出来る感覚を表現できるか?

練習の最も難しい一面でもあり、一番楽しい所でもあると思っています。

まずは指先の感覚(タッチ)を頼りに、聴こえてくる音をどう感じるか?言葉にしてみると、自分の感性がどれくらい働いているか実感できるかもですね。

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