ピアソラ:タンゴの歴史について
アストル・ピアソラがギターとフルートによる2重奏のために作った作品が「タンゴの歴史」です。20世紀初頭からタンゴが変化していく様を音によって表現した曲で、20世紀後半のクラシックギタリストにとって欠かせないアンサンブル曲になりました。現在ではギターのパートナーを務めるのはヴァイオリン、チェロ、サックス、マンドリンetc. さまざまで、私もこれまでいろんな楽器奏者とご一緒させていただきました。
1982年にベルギーのリエージュ国際ギターフェスティバルで初演。日本では工藤重典さんと福田進一先生によって初演されています。
「Bordel 1900(1900年の酒場)」
酒場と言っても「売春宿」ことです。世界中から人が集う大都市には必ず存在するいかがわしい場ですが、ピアソラが愛したタンゴの故郷・ブエノスアイレスにも存在します。
冒頭に出てくる旋律は警察の笛の音だとか、ギターが胴体を叩いて奏でるパーカッション部はドアをノックする音を表しているとか、いろいろエピソード、解釈等ありますが、人間の欲望が渦巻く場所での音楽と人との有り様を、音楽を通して感じられる作品ではないかと思います。
動画はヴァイオリン:塩貝みつるさんです。素晴らしい動画を制作していただいたのはタイムアップスタジオさんです。
クラシックギター演奏家 益田正洋のHP
https://www.masahiromasuda.com/lp/
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