セゴビアへのオマージュ
release:2007.12.21 5th Album
20世紀を生きたギター界の巨匠「アンドレス・セゴビア」。今回のプログラムは彼が最後に来日公演を行った際のプログラムC(未演奏)を再現したものです。楽器もセゴビア自身が実際に愛奏していたラミレス3世を使用。没後20年を飾るにふさわしいアルバムになりました。
1. 【F.ソル/アンダンテ・ラルゴ Op.5-5】
2. 【F.ソル/メヌエット Op.11-6】
【フェデリコ・モレノ・トロバ/特徴的小品集 Op.5-5】
3. プレアンブロ
4. オリベーラス
5. ブルガレーサ
6. アルバーダ
7. ロス・マヨス
8. パノラマ
9. 【J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 BWV1001よりフーガ】
10. 【J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第6番 BWV1012よりガヴォット】
11. 【ドメニコ・スカルラッティ/ソナタ・イ長調 K.322(L.483)】
【F.メンデルスゾーン/2つの無言歌】
12. ヴェニスの舟歌 Op.19-6
13. なぐさめ Op.30-3
【フェデリコ・モレノ・トロバ/ソナチネ】
14. Ⅰ.アレグレット
15. Ⅱ.アンダンテ
16. Ⅲ.アレグロ
17. 【イサーク・アルベニス/マジョルカ】
18. 【イサーク・アルベニス/朱色の塔】
19. 【イサーク・アルベニス/セビーリャ】
益田正洋(g)
fontec●FOCD9336/¥2,520(税込)/2007.12.21発売
2007年9月25~27日 秩父ミューズパーク音楽堂 録音
使用楽器:ホセ・ラミレス3世 1967年 シリアルナンバー: 2021
発売元:(株)フォンテック
♪ 演奏者より
20世紀の巨匠であり、ギターの神様とまで呼ばれたアンドレス・セゴビア。彼の生演奏に触れることは出来ませんでしたが、折に触れセゴビアが残した録音を聴いてきて小さい頃から今日までずっとギターを弾き続けてきました。
今年がセゴビアが亡くなってちょうど20年の節目の年。おこがましくもその年を飾るに相応しいレコーディングが出来ないかと企画を練り、実現したのが今回のCD「Hommage to Segovia」です。
楽器も小さい頃使っていたラミレスを使うことになり、何か自分の原点に立ち戻ったような気がしました。しかも、そのラミレスはセゴビア自身が実際に使っていたもの。まだまだ演奏家として、音楽家として初心な自分がこの楽器で果たしてどのような表現者になれるのか、正直不安でしたが、何かに導かれるように、子供の頃を思い出したかのように夢中にさせてくれました。
そうやって録った今回のCD。セゴビアが最後に来日した1982年に発表しながら、実際にはほとんど演奏されることのなかったプログラムCの曲目を、ほぼそのまま再現しました。
私の演奏を聴いて、あの時の記憶が皆さんの中に蘇ってくるようなことがあれば・・・セゴビアを愛する一人の演奏家としてとても幸せです。
♪ ライナーノートより(抜粋) / セゴビアの“心”を裏切らない真正のトリビュート
1982年7月日本におけるセゴビア公演の折のプログラムのひとつ、(C)をそのままに再現し、永久に記憶にとどめられるべきマエストロの姿と、その奏楽ぶりとを偲ぼうとするものである。
(中略)
ただし、ここで一言つけ加えたいのは、セゴビアがギターという自分の分身にとって不可欠の要素と考えていたのが、品格と共にある、神秘なまでに深いポエジーとロマンティシズムだったという事実である。セゴビアに敬意を表し、トリビュートを捧げたいという者は、そのようなポエジーとロマンティシズムをよく理解し、共感をおぼえる者でなくてはなるまい。この意味から言って、たいへん嬉しいことに、益田正洋は完全な有資格者であり、疑いなく天上のマエストロを微笑ませることのできるギタリストだと信じられる。 濱田滋郎
♪ レコード芸術/2008年3月号 新譜月評にて「優秀録音盤」に選ばれました!
「演奏家の意識にセゴビアが残した録音が少なからぬ作用を及ぼしているように感じられ、興味深かった。音色においては柔らかく温かみのある音と鋭く切れのよいタッチを自在に使い分けているが、それが現代のハイ=ファイ録音ならではの現実感豊かな響きで鮮やかに記録されている。」(抜粋) 山之内正
♪ CDジャーナル/2008年2月号 「CD新譜試聴記」にて“イチ押しCD”に選ばれました!
「巨匠セゴビアが82年7月に日本で行なった演奏会のプログラムを再現し、彼の愛用した楽器を使って録音。そんな重責のある企画を引き受けた益田は、気品のある豊かな歌をたっぷりと聴かせてくれる。この若さ(20代)にして、巨匠の風格を感じさせる演奏は美しい」 堀江 昭朗
♪ Phile-web/2008年1月 斉藤宏嗣の「優秀録音盤」に選ばれました!
「ギターの巨匠・セゴビアが最後に来日した際の益田正洋が再演するアルバム。収録場所のナチュラルな響きで清楚なギター・イメージが綴られる。選曲はバッハからアルベニスまで幅広くカバー。セゴビア愛用の楽器から湧き出るサウンドは豊潤である。ほどよい遠近感で定位するギター音像、それを包み込むアコースティックと、模範的」 斉藤宏嗣